今回使ったチェキとチェキ写真のテーマについて教えてください。

今回使ったチェキは、instax210というワイドなチェキ写真が出来上がる機種です。ここ3ヶ月くらいの間に出会って会話等のコミュニケーションをした人を撮影しました。ずっと仲良くしている友達もいれば、その場で初めて出会った人もいます。
 

チェキの魅力について教えてください。

やはり、すぐにその場で写真が出来上がることではないでしょうか。被写体になってくれた人と像が浮き上がってくる時間を一緒に待ち、「写真」という物質を直接手で触りながら共有できるいうのは、とても豊かなコミュニケーションだと思います。
 

チェキで撮るときのポイントや気をつけてたことってありますか?

あまり身構えずに、被写体と共有している時間をさっとすくいとるような感じで撮影しました。人物を撮った写真は、その場で出来るだけ被写体になってくれた人と一緒に、浮き上がってくる像を見るようにしました。
 

いつも使っているカメラとチェキってどんな違いがありますか?

HasselbladやPentax 67Ⅱなど中判のフィルム一眼レフカメラで作品を作っています。一眼レフなので、ファインダーを覗きながら構図を決め、緊張感を持って被写体を見つめます。今回使ったinstax210は、縦にして使うとレンズとファインダーの視差があまりにも大きく感じられ、全く自分の思うように撮れませんでした。そこで、この不自由さにあえて身を任せてみようと考えました。撮影を進めて行くと、思ってもいないものが写り込んでいたり、自分の意図しない構図になったりと、自分のイメージを大きく裏切る写真が出来ました。「写真を撮ること」には自分のイメージを裏切っていく部分が少なからずありますが(それが写真の楽しさの一つだと思います)、普段はじっくりと被写体と向き合って撮影する僕にとって、この感覚は新鮮でした。
 

最後に、チェキを初めて使った感想を教えてください。

僕は、吃音者で、発話時に思うように言葉が出ないことがあります。言葉を交わす会話でのコミュニケーションの不十分を、撮影者と被写体が見る見られるの関係を築く「写真を撮る行為」で補えないかと考え、ポートレート写真の作品を作っています。チェキを使うと、撮影の時だけではなく、撮り終わったあとその場で、出来上がった写真について被写体の人といろいろ話ができるというのは、さらに濃密なコミュニケーションを促すきっかけになり、僕にとってはとても心地がよかったです。
 
 


 

チェキとも No.10

横山大介 Yokoyama Daisuke

1982 兵庫県生まれ
2005 同志社大学文学部文化学科文化史学専攻 卒業
2005 写真表現大学 受講
現在、大阪市在住 (HP

個展
2014 『ひとりでできない』(CAP STUDIO y3/兵庫)
2013 MIO PHOTO OSAKA ミオフォトアワード・プライム『交換』
(天王寺ミオ本館12階ミオホール/大阪)
2012 『対峙』(gallery 霧とマッチ/奈良)

グループ展
2013 豊島MEETING 2013-ART in 片山邸(香川県土庄町指定有形文化財 片山邸/香川)
2012 『冬の引き出し』(Port Gallery T/大阪)
2011 東川町国際写真フェスティバル インディペンデンス展(東川町文化ギャラリー/北海道)

2013 MIO PHOTO OSAKA 公開ポートフォリオレビュー 選考
(選考:国立国際美術館学芸課長 島敦彦)