今回使ったチェキとチェキ写真のテーマについて教えてください。

今回使用したチェキはinstax mini 90 NEO CLASSICという機種で、本物の一眼レフカメラのような重厚な外観を持ち、チェキとしては珍しい二重露光撮影やバルブ撮影ができる本格的な機種です。ちょうど結婚してパートナーとの新居での新生活が始まり、仕事であまり家にいない自分とまったくの他人である彼女との距離感を見つめるために、彼女と一緒にいる日は必ず最低1枚はチェキを撮るということだけを決めて始めた作品です。
 

チェキの魅力について教えてください。

「写真というのは世界を知るための道具である」と言ったのはあのベンヤミンですが、チェキはその上でさらに撮ったその場で新しいコミュニケーションを生み出すというのが魅力だと思います。デジカメでもその作用はありますが、デジカメはその場でイメージを液晶画面でしか見れないのに対して、チェキは写真の形をした物質性を伴うので撮影者や被写体に所有感が生まれ、デジカメでは得られない満足感に繋がると思います。しかも撮ったその場で写真が出来上がるというスピード感は、暗室作業の暗闇の中で像が浮き上がる感動を知っている者としては驚愕に値します。
 

チェキで撮るときのポイントや気をつけてたことってありますか?

とにかく自由に撮ることを意識していますが、人物を撮らせてもらったらその場で相手に写真を見せてイメージを共有することを心がけています。
 

いつも使っているカメラとチェキってどんな違いがありますか?

いつもはMAMIYA RZ67 PROⅡという中盤のフィルムカメラを中心に使っていて、三脚を立ててしっかり構図も決めてじっくり撮る感じですが、チェキはすぐに写真が出来上がるという疾走感が相まってどんどんシャッターを押してしまうので気がついたらけっこうな枚数を撮っていたりします。
 

最後に、チェキを初めて使った感想を教えてください。

実をいうとチェキのお手軽さやそのクオリティーに対して今まであまり良い印象を持っていなかったのですが、今回instax mini 90 NEO CLASSICに出会って考え方がまるっきり180度変わりました。それはまさに一目惚れのような出会いで、すぐにこのカメラで写真を撮りたいという衝動に駆られたのを今でもはっきりと覚えています。見た目も持った感じもまるで一眼レフのようなカメラですし、フィルムカメラのような機能がついていますので撮影に対する満足感も十分にあります。なにしろ、何気ない日常を切り取って作品にするとしたらチェキというカメラがいちばん適していると感じさせてくれた機種でした。
 
 


 

チェキともNo.9

tanaka

藤安淳 Fujiyasu Jun

1981 東京都生まれ
2005 同志社大学経済学部卒業
2007 写真表現大学修了
2008 「第1回塩竈フォトフェスティバル写真賞」大賞受賞
2013 「御苗場vol.13関西 エプソン賞」受賞
現在、大阪府在住。 BlogHP